/*友人の誕生日お祝いに押し付けたサブマス捏造散文。ぴくしぶより下ろしてきました。今後、加工する予定。*/
幼少時のサブマスさん達の、ある日の会話、という前提で読んで頂ければ、と思います。
舞台説明すっ飛ばしててごめんなさい…。
◆ ◆ ◆
そっくりな双子。
どちらがどちらか判らないなんて、当たり前に過ぎるぐらい聞き慣れてしまった形容。
ぼくらはそう、互いが互いにあまりにも同じ過ぎて、違うのなんて名前ぐらいじゃないのかなんて、ぼく自身ですら思っていたから。
だから、このまま名前を入れ替えてみたところで、きっと他人は気がつかないに違いないなんて、そんな事を考えついた。
「ねぇ、ノボリにいさん」
「なんですか?クダリ」
「考えたんだけどね、このままぼくたち、入れ替わってしまおうか」
「…どういうことですか?」
入れ替わったことを知っているのは、入れ替わった当人であるぼくたち自身だけ。
誰も、だあれも、どちらが本当のノボリでクダリかなんて、気がつかない。
ぼくがぼくをノボリだと言い、ノボリにいさんがぼくをノボリにいさんと呼べば、それはきっと、驚く程簡単に成し遂げられるに違いない。
世界中のだあれも知らない、ぼくらだけの、秘密。
本当の名前で呼び合うのは、ぼくら二人でいる時だけ。
お互いの名前を呼び合うのは、この世界でお互いだけ。
「ね?すてきだと思わない?」
「そうですね…」
見知らぬ誰かが、身近な誰かが、クダリに声を掛ける。ノボリ、と。
私を演じるクダリは、どうしました?と答えるのだろう。
ノボリという仮面をかぶり、冷静と酷薄を装った偽りの姿だけを、私以外の世界の全てに向けて、晒し続けるのだろう。
そしてクダリを演じる私もまた、クダリ、と呼ばれ、どうしたの?と答える。
クダリという仮面をかぶり、無邪気と爛漫を装った偽りの姿だけを、クダリ以外の世界の全てに向けて、晒し続けるのだろう。
クダリの真実の姿を知るのは私一人だけ。
私の真実の姿を知るのはクダリ一人だけ。
世界中の誰も知り得ぬ、私達だけの、秘密。
誰も、クダリへ向けて、甘く蕩ける声音でその真実の名を呼ぶ事など出来はしない。
どれだけ想いを込めようと、それを舌に乗せ名前とともに想いを吐き出す時、滑稽な程に、その響きは偽りで彩られたものになるのだろう。
真実は、私達だけのものになる。
けれど。
「どうしたのさ、ノボリにいさん」
「ええ、クダリ」
甘えを含んだ、この上なく庇護欲をそそられる響き。
にいさん、と屈託なく、クダリ自身の全てを委ねるよう信頼を溢れさせる言葉。
それは、私が私たるに必要不可欠な、今の私が在る為に欠くことのできない要素。
もしもお互いに呼び名を取り替えたならば、と想像する。
二人の時だけに許された真実の名前での呼び交し。
この上なく魅力的で抗いがたく、甘い、あまい誘惑。
まるでこの弟から放たれる自分への呼びかけの言葉のような。思わずその甘さに、首肯してしまいそうになるけれど。
けれども。頷いてしまう事で、この甘い響きを、わずかでも失ってしまう可能性に想いを馳せる。
例えば、二人でいられない時は?
どうしたって、この世界をたった二人だけで生きていく事など、どだい無理な事なのだから。
一日のうち、どれだけ二人だけの時間を過ごせるのか。
一日のうち、例えば百回呼び交しあって、その内どれだけ互いの本当の名前を呼びかわせるというのか。
本当だったら一日の始まりから終わりまで聞いていられる筈のこの甘い響き。もしも今誘惑に負け頷くことで、偽りの響きに取って代わられる時間はどれほどのものとなることか。
想像すらしたくもない程に耐えられない事だ、と認識する。
呼び交す響きには、いつだって、この無条件に盲目的な程の信頼が感じられなければ耐えられないのだから。
「とても、とても、魅力的な提案ですね」
「でしょう!?だからさ、ノボリにいさん、」
「ですが」
「え?」
「ダメですよ、クダリ」
「!……なんでっ」
「私は、いつだって貴方にはきちんと私の名前を読んで頂きたいのです」
にいさん、と。
甘さを纏わせる、無限の信頼と依存から成る無垢の響きでもって。
「そして、私は貴方の名前をきちんと呼びたい。いつだって」
「……そう、そうだよね」
「わかってくれるでしょう? 貴方なら」
「うん、ぼくらは双子、だものね。世界中の誰よりも、何よりも、ぼくたち自身が一番良く分かり合える」
「ふふ。その通りです。」
ノボリにいさんは、良くできましたね、と褒めるように、普段は滅多に崩さない表情を柔らかく緩ませ、微笑みかけてくる。
結局、ノボリにいさんの主張も分かりすぎる程に分かったから、ぼくはぼくの思いつきを無かった事にした。
けどね。
けれどね、ノボリにいさん。
もしも世界に、ぼくら二人だけしか存在しないのならば、ぼくらはぼくら自身の名前を呼び交わす事ができるんだ。 いつだって。
もちろん、世界中からぼくら以外の人をいなくするなんて、ありえない事だけれど。
だけれども、例えば、世界を小さく限定してしまう事なら可能だと思うんだ。
小さく閉じた世界で、ノボリにいさんと二人きり。
いつまででも、お互いの名前を呼びかわしあえる。
誰にも秘密の世界で。
ねえ、それはとても素敵なことだと思わない?
ね、にいさん。にいさんは、すてきだと思わない?
End.
◆ ◆ ◆
狂気はノボリさんにあると見せかけて、ラスボスはクダリさんでした、というオチ。
…あれ、これはダメか、どうなんだ…。これで誕生日おめでとうございました!って言えるの…?みたいなオチになりました。天使に見せかけて実は腹黒クダリさんダメだったら実にすみません。何となく、一見天使な人の方が、盲目的なほどに相手に執着してそうだな、という自分の中の思い込みが、気が付けばこんなクダリさんへと進化させていました。
返品可ですので…! もし返品だったら、何か…何か、イラストかしら…が、がんばります、よ。
お誕生日おめでとうございました!
/*狂気はノボリさんにあると見せかけて、ラスボスはクダリさんでした、というオチ。…あれ、これはダメか、どうなんだ…。これで誕生日おめでとうございました!って言えるの…? せめて、イラスト付けるとかせにゃあならんだろうか…。下手でもね、文章よりは多分マシだと思って頂いてると思うのですよ、うん。どっちか言うたら、らくがきばかり描いていたわけだし。 うーん…*/
/*以下、文章作成中の呟き*/
とっくに誕生日過ぎてるんだけど……当日に思いついたけど、腰が重すぎて、最初は頑張ってイラストにしようと思ってたけど、もうなんかどうしようもなさそうな感じなので、取り敢えず言葉でメモだけ。
しかもこれ、友人の好みから外れてる気がひしひししてるんだぜ!お呼びじゃない感半端ないぜ!とそんな感じでございますがしかし。
だるまさんとか無理だもの。。。蓮コラぐらいだったら、イケるんだけど…受信側なら。発信は無理。
……まあ、取り敢えず、メモ。メモする。何もしないよりマシだから。
サブマスさんについては、未だに勉強中の身ゆえ、サブマスクラスタさんに喧嘩売ってる訳じゃないよ!ごめんなさい!…と、先に宣言しておこう。本当にすみません。
◆ ◆ ◆
取り敢えず、一通り筋は通したかな。
◆ ◆ ◆
サブマス幼少期イラスト、手つなぎサブマス。片方笑ってて(クダリ)、片方への字口(ノボリ)?

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