青砥がスペインに行って、その後の多義の話。
父親と出会ったことを多義に電話する青砥。(エリカはエリカからの電話、という事にする?)
言い淀みながらも近況を知りたがる青砥。
青砥にとって、本当に短い期間だったというのに、プレデターという存在は大きかったんだな、と認識する多義。
駆け抜けるように、あっという間に過ぎ去った時間。けれども、その時間の濃度は、密度は紛れもなくひどく重く、濃いものだったのだ。あのチームに居た誰の心にも残っている。あの突き動かされるような、勝利への衝動を。飢えを。一つの群体として、銀河を相手取るという唯一つの目的に向かって、突き進んだ。誰も、誰もが、だ。個々でその目的にかける想いの根源は、それぞれにまるで違うものだったけれども。それでも、銀河一を目指す、という目的を果たそうとする、その目的だけは、誰も疑問に思うことすらなく、振り返ることなく、ただただ、突き進んでいた。
あの熱を、心の奥底に宿された熱を、きっと、プレデターの誰もが、持ち続ける事だろう。覚えてしまった、知ってしまった情熱。それを尽くす快感。 火種はきっと、消えることなく燃え続けるんだ。
ぼくらは、プレデターだ。
一生涯、熱を忘れることなど、きっとできない。
