裏切り後、プレザ死亡後のアルヴィンの様子を観察、結局アルヴィンを見捨てられない、どころか、プレザに軽い妬心抱いていると同時に感謝をしている自分、アルヴィンを欲しがっている自分に気がつくジュード
取り敢えずメモ。もっと詰めないと使えない。
あれだけふてぶてしかった様相を、がらりと変えた様子の男に、微かないらだちを覚えないでもない。
此方を見るたびに、視線を交わそうとするたびに、本人は意識していないのだろうけれど、贖罪を求めるかのような、縋り付くような、けれどもその場から直ぐに逃げ去りたいという情動を無理矢理押さえ込んでいるような…、困惑しながらも怯えを含んだ色を宿した、淡褐色の瞳にぶつかり、―結局、曖昧に、自身の焦点を暈して会話をすることを、面と向かいあわない事を選んでしまうのだけれど。
溜息をつく。
あれだけ、自身の行状を伏せていた頃には、気の向くままに…それこそ、機会さえあればジュードに手を出してきていたというのに。
裏切りが発覚し、縁でもあったのだろう…アルヴィン自身は決して認めないだろうけれど…(←要考、アルヴィン、露悪的になると、ぽろっとこぼす面がある)、プレザの死を堺に、パーティー、また旅に同行する事になってからは、ぱたりと手を出さなくなっていた。
酷い男、だ。間違いなく。
シュードの奥手に付け込み、己の好みに振舞うよう、いいように性技を仕込んでおきながら、己自身の事で手一杯になった今は、かけらもそんな素振りを見せない。(見向きもしない?)
自分自身は?いつの間に、理由などわからないまま、心惹かれて、捉えられていたのだろう。
きっと、あの目だ。抱き合って、吐精後の脱力した、無防備をさらけ出す時の、不安定に揺れる瞳の光だ。そして、きつく、離すまいと巻きついてくる腕。日中に、傭兵としての腕を存分に振るう時に見せる絶対の自信と裏腹に、垣間見せるそれらの、何かを求めて止まない必死さ。アルヴィンの内面に抱え込まれているであろう矛盾が、ジュードを惹きつけた。
プレザも、恐らくはそんなアルヴィンの奥底に潜む矛盾を、虚無を感じ取って…そして、自身もまた抱えた寂しさを埋め合える、そんな、縋り合うような関係、だったのだろう。
居場所を大事にしろ、と、最期までアルヴィンの行く末を心配し続けた、寂しい微笑みを浮かべる女性。
けれど。思い出す。抱き寄せられ、何処か縋るようにきつく腕に囲い込んでくる、力強さを。許しを請うように、ねだるように、瞳を揺らし、口づけ、口内を蹂躙していくその様を。
満たされない衝動を、埋められない孤独を、躰を貪り穿つことで満たそうとしていたのではないか…、そう、大人になりきれなかった男の葛藤を知ってしまった今となっては、そう思ってしまうのだ。
己の性。ミラに感心され、~(パーティーメンバーの反応)、そして、アルヴィンには良く揶揄された、ジュード自身をここまで導くに至ってしまった、性格。
はぁ、と溜息をつく。
どうしてこう、我ながら、厄介なものを抱え込むような真似をしてしまうのか。
それでも、と思う。それでも、これが僕、ジュード・マティスという人間であるから。そして、こんな人間だからこそ、今こうして、関わり続け、此処に在り、そして、気持ちを抱いてしまった。面倒なことこの上無い上、見込みなんて何一つ無い気がするというのに。
見捨てられない。
この、子供のような男を、好奇心とおそらくは若干のやっかみだけで、ジュードに手を出し、色々と悪い事を教え込んできたこの男を。
気持ちが返される望みなんて、怯えたように自分を見る視線を見ていれば、かけらも存在しないとわかっているのに。
悪趣味だ、僕も。
だけど。どうしても。
「お人好し、だからなぁ…僕は」
縋り付くようなその視線を振り払うことなど出来なくて。
ただただ贖罪を乞い願うその姿勢に、ジュード自身に愛情を預けてはくれないことに、きっと悔しさを覚えるのだろうけれど。
拾っちゃたら、責任を取らなきゃいけないって…エリーゼの時に言ってきたのは、ミラで、そしてアルヴィンも、言外に揶揄していて。
「責任、取らなくちゃいけない、よね?」
本当だったら、ジュードの体をいいように弄んでくれたのは相手の方、だったら責任取ってもらうのは、僕が女なら間違いなく僕の方なのに。
だけど僕は男だから。責任をとってもらうまで待ち続ける程、おしとやかに振る舞えるわけがない。(←要考)

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